愛車の2002年式 シボレー・カマロ V8を運転していた時のこと。 突然、後部スピーカーからエンジンの回転数に同調して「ふい〜ん……」という高周波のような異音が聞こえるようになりました。
「これは何かマズいぞ……」
嫌な予感がして調べてみると、どうやら燃料ポンプ(フューエルポンプ)が死亡する直前に、このようなモーター音が発生するケースがあるとのこと。
もし高速道路や交差点の真ん中でフューエルポンプが完全にパンクしたら、その瞬間にエンスト。当然、ブレーキもパワステも効かなくなります。 考えれば考えるほど不安になり、手遅れになる前に交換することを決意しました。
用意した純正品: ACデルコ(Delco)品番:MU230(ヤフオクで約4万円)
これはアマゾンの安モンですがrockauto等でDelphi・DELCOなどのいいやつを買ったほうがいいです。
4thカマロの絶望的な燃料タンク配置
つまり、普通に整備書通りにやろうとすると、「デフを丸ごと降ろさないと燃料タンクが外せない」という鬼畜仕様。
ディーラーやショップに頼めば、工賃だけで20万円コースのヘビーな作業です。
そんな大金をポンと払えるなら、私は今頃コルベットに乗っていることでしょう。
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| 燃料ポンプ交換の為、デフとタンクを降ろした4thカマロ:拝借写真 |
諦めきれずにアメリカの本国サイトやYouTubeを漁りまくったところ、現地のアメ車乗りたちがやっている「定番の解決策」を見つけました。
それは、トランクの鉄板(燃料ポンプの真上)にアクセスホールをブチ開けるという豪快すぎる荒業。
モノコックの一部であるトランク床面に穴を開けるのは少々抵抗がありますが、背に腹は代えられません。「20万円」という数字の前に迷いは消え、DIYでの手術を決行することにしました。
ステップ1:トランクの解体
まずはトランクのカーペットを剥がします。 チャイルドシート固定用のステーが2個あるので、これを外すためにトルクスレンチが必要です。
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| 借用2002年式燃料タンク |
上記のアメリカの先人たちが残してくれた「アタリ(位置)」を参考に、ポンプの真上を長方形に切り抜いていきます。
⚠️ 【超重要・注意点】 1999〜2002年式の4thカマロは燃料タンクが樹脂製になっています。ディスクグラインダー(サンダー)などで火花を飛ばしたり、熱を持たせたりするとガソリンに引火して爆発する危険が非常に高いです。絶対にサンダーは使わないでください!
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| 借用写真:年式が違いホースの向きなどが違うがだいたい同じ位置にある |
私は知り合いの自動車修理工場で、火花が出ない「エアーレシプロソー(エアーのこぎり)」を借りて慎重に鉄板を切り抜きました。
ステップ2:ポンプの取り外しとアメ車豆知識
無事にアクセスホールが開いたら、ロックリングにマイナスドライバーなどを当て、ハンマーで軽く叩いて回しながら緩めます。
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| 借用2002燃料ポンプ取り外し |
余談ですが、インタンク式の燃料ポンプは「ガソリンに浸かること」で自身の熱を冷却しています。そのため、常に燃料ゲージが「E(空っぽ)」に近い状態で走り続けると、ポンプが冷却されずにパンクしやすくなります。
特に2006年以前のシボレー・タホやサバーバン、C/Kトラック系は燃料タンクが平べったい構造なので、このトラブルが多発するイメージがあります。乗っているユーザー層の懐具合もあってか、みんな「E」線ギリギリで粘って乗るから余計に壊れるのかもしれません(笑)。
復旧作業:二度と開けない覚悟で蓋をする
新しいポンプをインストールしたら、コネクターやホースの付け忘れ、間違いがないかをこれでもかと確認します。一度フタをしてしまうと、そう簡単には開けられませんからね。
通電と燃圧の正常動作を確認したら、開口部の処理に入ります。
防錆処理: 鉄板の切り口から錆びてフレームに波及すると最悪なので、ボディ同色スプレーでしっかり防錆。
フタの作成: ホームセンターで2mm厚のアルミプレートを購入し、アクセスホールより一回り大きくカット。
密閉と固定: 穴の周囲にたっぷりパテを塗り、アルミプレートを被せます。ポンチで位置決めをして、タンクとのクリアランス(隙間)に余裕がある場所を狙ってビス留め。
仕上げ: パテが乾いたらカーペットを元に戻して完成です。
衝撃の結末と、得られた教訓
作業完了後、車は無事に走行可能になりました。現在、交換から2年ほど経ちますが、漏れも不具合もなく絶好調です。 気にされる方の多い「ボディ剛性」ですが、もともとこのカマロでサーキットを攻めるわけではなく、ゆったり流すスタイルなので、私には体感できるほどの変化は一切ありませんでした。
……ただ、一つだけ大きな誤算が。
ポンプを新品に交換した直後、楽しみにテストドライブへ出かけたのですが、後部スピーカーからの「ふい〜ん」という高周波音は、1ミリも変わりませんでした。
つまり。 元々のフューエルポンプは超健康で、単にオーディオがオルタネーターか何かの「電気的ノイズ(パルス)」を拾っていただけだったのです。
不安のあまり冷静さを欠き、完全に無駄な特攻(しかもボディ穴あけ)をしてしまいました……(笑)。 (※ちなみに、その後その高周波ノイズはなぜか自然消滅して、現在は出ていません)
もし、この記事を読んでいる4thカマロ乗り(あるいはアメ車乗り)の方で、スピーカーから異音が聞こえたら、まずは「ラジオの電源を切る」か「スピーカーの配線を外す」ことから試してみてください。
4万円のポンプを買って愛車のボディに穴を開けるより、そっちの方が100倍楽で、精神衛生上も良いですから……。





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