圧倒的な存在感!Kawasaki ZZR1200 インプレッション
今回は、私の愛車であるKawasaki ZZR1200のインプレッションをお届けします。
まずは、これまでの私の大型車歴とそれぞれの乾燥重量を振り返ってみます。
- ZX-10:220 kg
- ZZR1100D:233 kg
- ZZR1200:235 kg
ご覧の通り、見事なまでに「カワサキ党」を貫いています。
運命の1台に出会うまで:次期相棒の選定ストーリー
それは2008年頃のことでした。不慮の事故により廃車となってしまったZZR1100の保険金がおり、気持ちが落ち着いたタイミングで次期バイクを探し始めました。
購入にあたっては色々と検討しましたが、予算や好みの都合上、もちろん中古車オンリーの一択です。
私の求める条件は、「基本のツーリングも、スポーツ走行も、そして所有する見た目の満足感もすべて楽しみたい」という欲張りなものでした。そのため、いわゆるメガスポーツ、フラッグシップ(旗艦車)と呼ばれるカテゴリーに絞り、かつて愛したZZR1100と同じコンセプトを持つバイクを探すことにしました。
最初は「もう一度1100を買い直そうか」とも考え、レッドバロンなどのお店に実車を見に行ったりもしました。しかし、実際に目の前にすると、やはり設計の古さは否めません。「まったく同じバイクを買い直すのもどうなのだろうか……手持ちのパーツが流用できるというメリットはあるけれど……」と、今一歩踏み切れずにいました。
ライバル車たちとの葛藤:ホンダ・スズキ・カワサキの猛者たち
次に候補へ挙がったのは、市場でも良い感じに価格がこなれてきていたホンダのCBR1100XXブラックバードでした。見た目のボリューム感も素晴らしく、全体の質感も非常に良好です。エンジンには二軸バランサーが搭載されており、キャブレター仕様のモデルを選べばメカニズム的にも申し分ないだろうと感じていました。
しかし、そこで引っかかったのが「ホンダ」というブランドでした。私の中の勝手なイメージですが、ホンダのバイクはどこか「優等生」すぎて、アウトローな雰囲気が物足りない気がしてしまったのです。いや、バイクとしては本当に素晴らしい完成度なのですが、自分が乗っている姿を想像したときに、「でも、やっぱりホンダなんだよな……」という贅沢な雑念がよぎってしまうのが目に見えていました。ちょっと分かりにくいこだわりかもしれませんが、非常に重要なポイントでした。
それでは、圧倒的な大人気車種であるスズキのハヤブサ(GSX1300R)はどうでしょうか。市場を見ると、中古でも「70万円~」という強気なプライスがついていました。初期型の1999年式だとしても、当時はすでに10年近くが経過しているにもかかわらず、まったく値落ちしていませんでした。
それだけ名車であることは間違いありませんが、いざ実際に中古車を見に行ってみると、想像よりもかなり車体がコンパクトに作られていました。大柄でデカいバイクが好きな自分としては、その凝縮感を見た瞬間に、一気に物欲の熱が冷めてしまったのです。また、ハヤブサはフューエルインジェクション(FI)仕様しか存在しない点も引っかかりました。
ただ、あのヌルりんとした、ぼってり感のある独特のデザイン自体はかなり好みです。最近のバイクはリアタイヤが後ろに飛び出しすぎているデザインが多いと感じるので、ハヤブサのようなテールカウルは魅力的でした。
次なる候補は、同じカワサキのZX-12Rです。カワサキ党の自分としては、正直なところ大本命のモデルでした。しかし、自分の予算内で買えるギリギリの車体を探すと、どうしても「初期型(A型)」になってしまいます。事前にネットなどでインプレッションを調べてみると、かなり過激でじゃじゃ馬な特性とのこと……。「ごめんなさい、今の自分にそこまでの大冒険はできません」と諦めざるを得ませんでした。扱いやすさが向上したマイルドな後期型(B型)であれば本当に欲しかったのですが、当時はまだまだ中古相場が高嶺の花でした。
消去法の先に見つけた大本命:ZZR1200という選択
そうして様々なライバル車を検討し、消去法というか、結果論として行き着いたのがZZR1200でした。カワサキの最速フラッグシップというポジションこそZX-12Rに譲っていましたが、私がバイクに求める魅力的なポイントを、なんとすべて兼ね備えていたのです。
- 圧倒的な存在感を放つメガスポーツ
- これぞ大型バイクと思わせるでかい車体
- 王道の直列4気筒(直4)エンジン
- メカメカしさと乗り味が魅力のキャブレター仕様
- 包まれるような安心感のあるメーター周りの居住性
- カウルと一体化したスタイリッシュなビルトインウインカー
- そして何よりも、カワサキ車であること!
心臓部には、初代GPZ900Rの血統から20年以上も熟成され続けてきた信頼のニンジャ系エンジンを搭載。そこに、これまた極限まで熟成されたキャブレター技術が組み合わされています(当時はまだFIの黎明期で、アクセルの開け始めにガクつく「ドンツキ」などがあり、信頼性は今ひとつだと感じていました)。
ただ、正直なところを白状しますと、私自身もネットの写真で見ている段階では、このZZR1200のデザインを「あまりカッコよくないな……」と思っていました。
しかし、ある日中古バイクショップの店頭でたまたま実車を見かけた瞬間、評価が一気に180度ひっくり返ってしまったのです。なにしろ、とてつもなくデカい。ZX-12Rも腰高で大柄なバイクでしたが、ZZR1200はカウル全体に豊かな丸みがあり、圧倒的にボリューミーでした。最近のトレンドのように、そこまで極端なケツ上がり(テール高)になっていない落ち着いたスタイリングも、大人のメガスポーツらしさを醸し出しています。
「ああ、このバイクは写真写りで損をしているだけで、実物を見なきゃいけないやつだな」と確信しました。その場でもう、心を完全に決めました。あとは状態の良い「タマ」を探すだけです。
しかし、これがなかなか見つかりません。さすがは隠れた不人気車、わずか4年で生産打ち切りになっただけのことはあります(笑)。
やっとの思いで見つけたのは、ヤフオクに出品されていた走行距離3万kmの車体でした。
基本的に、日本のメーカーが作ったバイクは、よほどの旧車でない限りメカニズムを絶対的に信頼しています。
お目当ての個体は、ZZR1200の最終型にあたる「C4」でした。地味ではありますが、このモデルは毎年細かなマイナーチェンジを重ねています。カラーも純正仕様(C4型の純正カラーは紺色のみ。全塗装された車体は過去の修復歴などが不透明で信頼できません)で、マフラーもノーマルのままという好条件でした。オークションは無事に落札でき、価格は50万円ほどだったと記憶しています。「さすが不人気車、めちゃくちゃ安いな」と嬉しくなりました。
バイクは陸送で届き、あいにくの雨が降る中、バイク乗りの友人を連れて一緒に引き取りに行きました。
「これからよろしくな!」と心の中で語りかけたのを覚えています。
本音で語る!ZZR1200のリアルインプレッション
ここからは、実際に所有してみて分かったリアルなインプレッションをお伝えします。
【取り回し・ポジション・振動】
車体は大柄になり、見た目のボリューム感はかなり増しましたが、引き起こしや取り回しの重さ自体は以前乗っていた1100とさほど変わりません。
ハンドル位置は、1100よりも少し高め(アップ)かつ手前に設定されているため、体が起きて非常に楽なポジションになります。私の体格(身長170cm、体重60kg)では、社外品のハンドルスペーサーなどで調整する必要はまったくありませんでした。
エンジンからの細かな振動はそこそこあり、これも1100と同等レベルです。2時間ほど続けて高速道路などを巡航していると、さすがに手がじんわりと痺れてくるので、適度な休憩を挟みながら楽しむのがベストです。
全車種愛用お勧めグリップはこちら。わずかですが分厚く握りが太くなりバイクには毎回これを使用してます。
【まるでキャデラック!?驚くほどの滑らかさ】
以前、友人の「TZR250(後方排気モデル)」と私の1200を一時的に交換して走らせたことがあります。その際、試乗を終えた外国人のオーナーさんが開口一番「このバイクはキャデラックだ!」と大絶賛していました。
普段からずっと乗り続けていると麻痺して気づきにくいのですが、他の尖った性格のバイクからこの1200に乗り換えると、「なるほど、言わんとしていることがよく分かる」と深く納得させられます。それほどまでに、クルージング中のエンジンフィールや乗り心地がスムーズで滑らかなのです。
【ハヤブサとの比較で分かった圧倒的な低速トルク】
また、別の機会にハヤブサとも車両を交換して乗り比べてみました。ハヤブサに乗った第一印象は、「ちっさ!ものすごくコンパクトで、まるで軽量なスーパースポーツ(SS)みたいだな」というものでした。シート高も低くて足付きが良く、車体も非常に軽く感じられます。
しかし、驚いたのは発進時でした。FI仕様のハヤブサは、ゼロ発進のタイミングで何回かエンストを起こしてしまったのです。ちなみに、これと同じ現象は過去に試乗したFI仕様のヤマハ・YZF-R6やR1でも経験しました。最新のインジェクション車というのは、そういうシビアなクラッチ特性の味付けになっているのかもしれません。
一方で、我がZZR1200ではそのようなエンストは一度も経験したことがありません。というか、「むしろエンストさせる方が難しいんじゃないか?」と思えるほど、アイドリング付近での粘り強さと、極低回転域での極太なトルクがガツンと備わっています。
【エンジン特性と点火タイミングの秘密】
前作の1100と比べると、全体的なトルク自体は排気量アップに伴って太くなっているのですが、高回転域まで回したときの「上のパンチ力(爆発的な加速感)」が少しマイルドになっている印象を受けます。
調べてみると、どうやらピストンが一番上にくる「上死点」付近での点火時期の設定が関係しているようです。このあたりの詳しいメカニズムについては、ZRX1200カスタム専門ショップの「ペガサス」さんのホームページで詳細に解説されています。
ちなみに、「ZZR1200を1100と同じ過激な点火設定に書き換えるイグナイターを作ってほしい」とお店にお願いしてみたことがあるのですが、「残念ながらそれは作らないよ」とのことでした。同系統のネイキッドであるZRX1200用パーツとしてはそういった製品が売られているのですが、ZZRとは配線のカプラー形状が異なっているため流用できません。
とはいえ、上のパンチが優しくなったからといって巡航速度が下がったかと言えばそんなことはなく、むしろ巡航スピード自体は以前より上がっているほどです。あくまで体感的な問題で、ドッカンとくる暴力的な加速感が薄れたというお話です。人間の手では十分に扱い切れないほどの凄まじい加速力は、今でもしっかりと健在です。
マフラーカスタムと車検の壁
しばらくの間は完全ノーマルのツインエキゾーストで乗っていましたが、やはり排気音に少し物足りなさを感じて飽きてきたこと、そして何より左右2本出しマフラーの「重さ」が気になり始めたため、思い切ってトリックスター製のフルチタンマフラー(4in1集合管)に交換しました。
外してみて分かりましたが、カワサキ純正マフラーのエキゾーストパイプは、ステンレス製で非常に素晴らしい作り込みがなされています。こちらは後々、サイレンサーのみを変更するスリップオン仕様に再カスタムする予定です。
ここで注意しなければならないのが、この年式のバイクは「2002年の排気ガス規制」の対象車であるという点です。つまり、きちんと日本の政府認証(JMCA対応)を受けた車検対応マフラーでなければ、そのままでは車検に通りません。法律をクリアしていない爆音マフラーをつけてしまい、車検のたびに毎回ノーマルへ戻す作業を行うのは、体力定にも時間的にもかなりキツいものがあります。
維持費や細かなパーツの使い勝手
燃費に関してはメガスポーツとしてはかなり良好で、リッターあたり15〜20kmほど走ってくれます。
ただ、その凄まじい大トルクを受け止める性質上、リアタイヤの消耗スピードはとにかく早いです。ガンガン減っていきます。
ネットのレビュー等でよく「硬すぎる」と酷評されがちな純正リアサスペンションですが、過激なZZR1100からそのまま乗り換えた私の身としては、「全然動くし、むしろ凄く良いじゃん!」と感じています。工具を使ってダイヤルを回すだけで、車高(プリロード・車体姿勢)を状況に合わせて簡単に変更できる油圧式アジャスター機能は本当にありがたい装備です。ちなみに、フロントサスペンション側の調整アジャスターは、今のところ特にいじっていません。
パーツの互換性については、さすが同系統の進化型ということもあり、フロントのブレーキディスクなど、前作のZZR1100と共通で使える部品が結構たくさん残っているのも維持する上で助かるポイントです。
そして、夏場に最も感動したのが「熱対策」の進化です。ZZR1100時代は地獄のようなエンジンの熱気に苦しめられましたが、1200では驚くほど発熱が少なくなっています。シリンダーの壁面を薄く仕上げられる「スリーブレス・メッキシリンダー」の採用が効果を発揮しているのか、普通に走行していれば水温計の針が中央(Cのライン)を大きく上回るようなことはまずありません。もちろん、激しい都市部の渋滞などに長い時間つかまってしまうと、水温計は真ん中あたりまで上昇し、そこからラジエーターファンが盛大に回り始めますが、それでも1100に比べれば水温の上昇スピードは圧倒的に遅く、精神的にも非常に余裕が持てます。
不満点をあえていくつか挙げるとすれば、やはり「車体が重いこと」、そして先述した「2002年排ガス規制への適応が必要なこと」、あとは社外品の「リアフェンダーレスキットの価格がやたらと高いこと」くらいでしょうか。
総じて、ZZR1200は私の求めるわがままな要求を完璧に満たしてくれる、現時点でベストなバイクだと確信しています。また何か新しい発見や気づいたことがあれば、その都度ここに追記していきますね。
【追記:14/05】マフラー再カスタム!スリップオン化の結末
車検を通すタイミングで一旦すべて純正マフラーの仕様に戻したのですが、その作業のついでに、以前から計画していたスリップオンマフラーへの変更を行いました。
今回装着したのは、リーズナブルな価格設定が魅力の「デルケビック(DELKEVIC)製スリップオンマフラー」です。
実際に交換してみた率直な感想としては……「うーん、正直そこまで良くはないかな……」というのが本音です。
一度、トリックスターのような排気効率が徹底的に計算された「一流メーカーのフルエキ集合管」の素晴らしいフィーリングを体感してしまった人間からすると、どうしてもパワー感や抜けの性能面において満足することができませんでした。
理想の形としては、ベースとなるエキパイ部分は車検をクリアできる「JMCA対応のフルエキマフラー」を購入し、その上でサイレンサー部分だけを自分好みの良い音が鳴る好みのパーツに交換して普段は楽しみ、車検の時期が来たらサイレンサーだけを元のJMCA対応品に戻す、というカスタム方法が一番賢くて満足度が高いのではないかと考えています。
【追記】ZZR1200の限界に挑む!峠でのポテンシャル検証
さらに、このバイクのコーナリング性能の限界を見極めるべく、少し贅沢な足回りを試してみました。
知り合いから譲り受けた中古のハイグリップタイヤ、ミシュランの「POWER CUP(パワーカップ)」を贅沢に装着し、いつもの峠道へと車体を持ち込んでみたのです。
タイヤのグリップ性能自体に関しては、まさに「最強」のひと言。路面にベッタリと貼り付くような絶大な安心感があり、何一つ文句のつけようがありません。
チョイスしたリアタイヤのサイズは「190」だったのですが、どんなに車体を深く寝かせても、タイヤの端(サイド部分)まで綺麗に使い切ることは不可能でした。
なぜなら、タイヤの限界が訪れるよりもはるか手前のバンク角で、自分の履いているライディングブーツのつま先や、純正ステップの裏側が路面にガリガリと激しく接地して擦ってしまうからです。
もし、この巨体で最新のスーパースポーツ(SS)のようにもっと深いバンク角でガンガン攻めた走りをしたいのであれば、路面とのクリアランスを確保するための「バックステップキット」の導入が絶対に必須になると痛感しました。
しかし、ステップ位置を上げて後ろに下げてしまうと、当然ながら膝の曲がりがキツくなり、乗車姿勢が窮屈になってしまいます。長距離をのんびり走る快適なツーリングユースというこのバイク本来の目的には、少し向かなくなってしまうかもしれないな……と、メガスポーツならではの贅沢な悩みに頭を悩ませています。











































