時は2022年5月、いよいよ昼間は汗ばむような暑さになってきた頃のことです。
ドライブ中に「ちょっと暑いな」と感じてクーラーをONにした瞬間、車内に不穏な空気が漂いました。
「……フロントエアコンから、生ぬるい風しか出てこない?」
慌ててリアエアコン(後部座席)を確認してみると、こちらは凍えるほどキンキンに冷えています。
「フロントだけクーラーが効かない」という、なんとも奇妙で厄介なトラブルが発生してしまいました。
ちなみに、この車のエアコンシステムは少し変わった構造をしています。
- フロント:オリフィスフィルター(オリフィスチューブ)式
- リア:一般的なエキパン(エキスパンションバルブ)式
コンプレッサーやガス漏れといったシステム全体の大元がダメなら、リアも冷えないはず。
ということは、原因は確実にフロント側のどこかにある。そう確信し、原因特定のためのDIYメンテと点検を開始しました!
STEP 1:まずは定番の「風量・汚れ」周りの点検と清楽
最初に疑ったのは、冷たい風を送り出すための風量不足や、ゴミによる詰まりです。
ひとまずフロントのブロアファン(ブロアモーター)を取り外して掃除してみることにしました。
ブロアファンにそれなりのホコリは付着していたものの、風量がゼロになるほどの致命的な詰まりではありませんでした。
続いて、フィルターのアクセス穴から、エアコンの冷気を作る心臓部「エバポレーター」の様子を覗いてみます。
「もしかしてアルミフィンがホコリで真っ黒なのでは……」と心配していましたが、ライトを照らして見てみると、予想に反して別にきれいな状態を保っていました。
とはいえ、フロント側だけがどうしても冷えない現実があります。
ダメ元ではありますが、バラしているついでにエバポレーターの簡易洗浄を試してみることにしました。
100均で調達してきた霧吹きスプレーに希釈した中性洗剤を入れ、アクセス穴からシュッシュと吹きかけます。
歯ブラシを突っ込んで、フィンを潰さないように気をつけながら、できるだけ奥まで磨いて汚れを落としました。
ついでに「リアのエアコンユニットはどうなっているんだろう?」とカバーを開けてみましたが……こちらは複雑な配管や配線が入り組んでいて、文字通りキュンキュンに詰まったカオス(バラせん)状態。
「もしリアエアコンが壊れたら、いっそリア用の配管ごと取っ払ってしまうのが手っ取り早いかもしれない」と頭をよぎりましたが、そのためにはエアコンのガス管だけでなく、リアヒーター用のクーラントホースまでバイパスして塞がなければならなくなるため、想像するだけで恐ろしい大手術になりそうです……。
STEP 2:組み直してテスト!しかし冷えない。配管温度の「決定的なズレ」を発見
一通り洗浄を終え、フロントのパーツをすべて元通りに組み直してエアコンをスイッチON!
……しかし、期待も虚しく、風はぬるいまま。全く直っていません。
「一体どこで冷媒の流れが止まっているんだ?」
エンジンルームを覗き込み、エアコン配管を素手で触りながら冷気の通り道を探ることにしました。すると、システムの致命的なバグを見つけることができました。
まず、高圧の冷媒を霧状に噴射する「オリフィスフィルター(オリフィスチューブ)」の直後を通る配管。ここを触ってみると……
驚くほどキンキンに冷たいです。しっかりと結露もしています。
しかし、エバポレーターを通過してコンプレッサーへと戻っていくはずの、帰りの低圧配管に触れてみると……
「……全然冷たくない。というか、ただのぬるい常温の金属パイプ。」
冷媒(ガス)がオリフィスを通過した直後だけは一瞬冷えているのに、エバポレーターの中にほとんど入っていないか、あるいは流れるガス流量が極端に落ちていて、熱交換を終える前にガスが蒸発しきってしまっている状態です。
「この中にあるオリフィスフィルターが詰まって機能していないのでは?」と考え、試しにパイプのオリフィスが入っている部分を軽くコトコトと叩いて、振動を与えてみたりしました。
しかし、当然ながら物理的なフィルター詰まりが叩いたくらいで治るはずもなく、エバポレーター本体はどこを触っても一切冷たくなりませんでした。
検証結果とこれからのプラン:詰まりの犯人を特定!
ここまでの状況証拠を整理すると、答えはほぼひとつに絞られました。
リアエアコンが正常に機能している以上、エアコンガス漏れ、コンプレッサーの圧縮抜け、コンデンサーのパンクといった「大物部品の故障」は考えにくいです。
さらに、温調フラップを動かす「エアダムアクチュエーター(エアミックスドア)」の動作も物理的にパタパタと動いているのを目視で確認済み。つまり、電気的なフラップ故障でもありません。
やはり、フロントが冷えない真の原因は、経年劣化で蓄積したゴミやスラッジ(鉄粉等)による「フロントのオリフィスフィルター(オリフィスチューブ)の詰まり」と、その下流にある「アキュムレーター(レシーバータンク/リキッドタンク)」の機能低下です。
というわけで、これからの修理作戦は以下の通りに決定しました!
これからの格安修理作戦プラン
- 海外(アメリカなどの輸入ルート)から、とにかく安くてすぐに手に入る「オリフィスフィルター」と「アキュムレーター(アキュムレータータンク)」を個人輸入する。
- パーツが届き次第、配管の切り離しを伴う「パーツの物理交換」のみをDIYでサクッと行う。
- 最後に、信頼できる電装屋さん(デンソーサービス等)へ車を持ち込み、プロの機材で「真空引き」と「適正なエアコンガスの規定量充填」をしてもらう。
この方法が、最も失敗が少なく、かつ最も費用を抑えて確実に直せる賢いロードマップです。
もしこれでも直らなかったら、残る原因は「エバポレーター内部の深刻な詰まり・漏れ」しかありませんが、そこを交換するとなるとダッシュボード周りの内装をすべてバラバラに引っぺがす(切ったり貼ったりの超大作業)ことになるので、何がなんでもここで直ってほしいところです……!
次回、輸入パーツが届き次第、オリフィスフィルターとアキュムレーターの交換DIYの様子をお届けします!
📌 追記:カーエアコン屋さんでガスと漏れ発見剤を入れてもらい、ひとまずはしっかり効くようになりました!
その後の詳しい修理&トラブル解決談は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
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