Buell(ビューエル)でもらい事故に遭い、身体は左足首内果(うちくるぶし)骨折となってしまいました……。
しばらく普通のMT(マニュアル)ペダルは乗れないなと思い、以前から気になっていたスポーツスターの中で「XL1200C(1200カスタム)」を購入し、自分好みにカスタムして乗ろうと考えました。
なぜ、あえてXL1200Cなのか?
選定にはかなり悩みましたが、怪我をした身体とDIY精神が導き出した理由は以下の通りです。
- 軽量大排気量であること(270kg / 1200cc)
本当は軽いリジスポ(〜03年)が良かったのですが、古さとリジットマウントのため遠くに行けなそうなので泣く泣く重いラバスポを選択。他のアメリカンでリッター超えを選ぶとさらに重いので、これでもマシな方です。 - Buellと同じエボエンジン
愛着のあるBuellと同じ遺伝子を持つエンジンであること。 - 2004〜2006年の希少な「CVキャブモデル」
2007年以降はインジェクション(FI)になります。排ガス規制のなるべくゆるいキャブ車を狙いました。2007〜2009年のFI車は触媒がなく燃調が厳しそう。2010年以降の触媒付きのほうがFIなら良い(浄化を触媒に任せられる)ですが、価格が高いので却下。 - 足付きベタベタで足の負担が少ない
右側からでも乗れるくらい低く、ツンツンなのはそもそも今の身体では乗れません。 - エンジンガードが装着可能
これでもう、二度と車アタックに足を挟まれることはありません。位置的にフォアコン(フォワードコントロール)が必須になります。 - シーソーペダルが装着可能
左足首が動かなくても、かかとでシフトアップできるアフターパーツが有ることを確認して購入しました。 - メッキもりもりのフロント21インチ & タンク17.4Lの大容量
チョッパースタイルにしたいのでF21インチは最高。そして頻繁な給油は大嫌いなので、かっこ悪くても大容量タンクが一番。ここからかっこいいチョッパースタイルにできるかは分かりませんが……(笑)。
ヤフオクから低走行の「カチコチタイヤ車」がやってきた
入手先はもちろん、みんな大好きヤフオクです。
サイドバッグ付きの2005年式。走行1.4万キロと驚きの低走行車が届きました。
グリップ、ステップ、モール、ローダウンキット、ETC以外は多分ノーマルです。
デタッチャブルの低いシーシーバー付き。ほとんど走っていないようですが、そのせいか、まともに温まっていないと全然吹けません。こーゆーものなのか、こいつが調子悪いのかは分かりません。
というわけで、早速バラしていきます!
ハンドル交換と、恐怖の「DOT5シリコンフルード」ブレーキ全バラ
社外のエイプバーをつけようとしたのですが、なかなかガッチリ固定できません。仕方ないのでライザーの座面を削って対策しました。
えらい長いETCのアンテナ配線を束ねてタンク下に格納。ちなみにETCは「二輪用」と書いてありましたが、バッグの中にタッパーに入れられた四輪用が入っていました。まあヤフオクだからね(笑)。
その後結局壊れて外してシンプルな運用にしています:
雑多な趣味の備忘録: 【バイクETC】スポスタのゴチャつく配線を撲滅!スマホホルダーのUSBから「12V昇圧ケーブル」でスッキリ電源を取る方法
外装を剥いてメインのエイプバーをつけてちょっと絞りました。いい感じ。
タイヤはなんと06年製造!カチコチです。もともとハーレーの純正バイアスは特殊な構造で硬いのですが、このタイヤは危ないので空気圧を1.8kg/cm²くらいに落として乗ることにしました。
なんと、2006年式まではスポーツスターもシリコン系のブレーキフルード「DOT5」指定らしいです。
ブレーキシステムは安心のニッシン製。シリコン系よりも攻撃性が低く、吸湿性の高いグリコール系の「DOT4」に変更するため、一度すべてバラして完全洗浄します。フロントマスターはDOT4年式との違いがよく分かりませんでしたが、キャリパーのピストンシールは共通なのでOKです。
(パッド抑え金具のメモ用写真)
しかし車重270kgで型押し2ポッドキャリパーとは……。なおさらDOT4フルードのほうが熱変化に耐えられて良いんじゃないかと思います。
ワイヤー流用と、CVキャブの「ビロビロダイヤフラム」補修
ハンドルを高くしたのでクラッチケーブルの長さが足りません。別なハーレー用で少し長い中古良品(2,000円くらい)を購入して交換しました。
以下のKIJIMAはおそらく1340㎜
試しにBuellのイージークラッチをつけてみようと思いましたが、ケースカバー内部のリブが邪魔でつきませんでした。
プライマリーのOリングはBuellと共通だったので、手持ちの在庫を使用します。
フロントキャリパーシールと、キャブのフロートパッキンを交換。他は洗浄して再利用します。案の定、CVキャブのダイヤフラムはビロビロに伸びていましたが、ひとまずそのまま組んでみます。
その後、Amazonで格安ダイヤフラムを購入。ガソリンを吸うとふやけてあまり良くなかったのですが、一度乾燥させたら元に戻りました。念のため別メーカーの在庫も1個確保済みです。
(ダイヤフラムのビスと共締めパーツのメモ)
タンクの塗装剥離と、厄介な「インチサイズ」ホイールベアリング
タンクの塗装を剥離(ハクって)してウレタンクリアーだけで仕上げ、仮装着してみました。いい感じのローブラッシュド風です。
フロントフォークを磨くために分解。ダストシールを外して各部をメモしておきます。SHOWA(ショーワ)製なんですね。
(フォーク逆側のメモ画像)
ここでハーレーの面倒な足回りサイズに直面。フロントのホイールベアリングは「3/4インチ(約19mm)」という規格です。
シールドを外して少しシリコングリスを詰めておきました。回すと割と硬いので交換したいのですが、こんな変なインチサイズは国産のNTNなどのカタログにはありません。専用品になってしまうので高価です。次回のタイヤ交換時までに新品を確保しておくことにします。
(ホイールスペーサーの配置メモ)
フロントフォークをしっかり磨き上げて、Fタイヤを元に戻しました。
プラグ交換。新車当時の(?)ハーレー純正品がついていたので、安心のNGK製に新品交換します。
ハーレーは各部に小さなCクリップが多用されています。ちっちゃいくせに外すとすぐ曲がって再利用できないので、整備性の良いEクリップへ順次置き換えていきます。
リア足回りの整備:年式によるアクスル径の過渡期
(リアサスボルトのメモ)
リアのホイールベアリング径は「1インチ(約25.4mm)」でした。
スポーツスターのベアリングは2004年までは前後とも3/4インチ、2005〜2006年はフロント3/4・リア1インチ。そして2007年からミリ規格(25mm)に移行したんだっけかな?そこだけは高年式が羨ましいです。国産のミリベアリングなら1/10の値段で日本製が買えるのに……。
(リアキャリパーのパッド抑え金具のメモ)
パッドの状態チェック。まだ残っているので再利用します。
こちらも分解洗浄。リアもニッシン製キャリパーです。
ジャッキアップしてホイールを外します。上のベルトガードをずらさないと抜けない設計なので、必然的にリアサスの下部ボルトを外す必要があります。めんどくさい設計だな……。
わりとリアキャリパーの取り付けは知恵の輪状態でした。このボルトはここまで組んだときにやっと締め付けられます。
(リアマスターのCクリップ用メモ)
(レバー部のCクリップ用メモ)
(リアアクスルナットのサイズメモ)
実測で28.5mmくらい。インチだといくつだっけかな……忘れました。トルクレンチでしっかり管理して締めたいのでソケットを購入。今後の汎用性をもたせたいので29mmソケットを選びました。
リアマスターシリンダーを分解洗浄。この年式のスポスタはマスターのシール抜けが持病のようによくあるらしいです。ピストン部のシールが1個のみの設計で、2007年以降はシール2個の対策品になっています。
DOT5を使っているからシールがだめになっちゃうのかな?こちらもDOT4仕様に変えましたが、もしまたダメになったら、シール2個の2007年以降の対策マスターに変えようと思います。キャリパー側はピストンシールのみ新品交換しました。
(一応、リアマスター周りの分解図メモ)
外装ペイントと格安マフラー & 1,980円エアクリの加工取り付け
前後フェンダーを黒にペイントし、タンクはクリアーのみのウレタンで塗装しました。タンクにはミッチャクロン(プライマー)を吹いておけばよかったと後悔。やっぱり鉄地に直接だと剥がれやすいですね。
※リアフェンダーを外す時はテールランプのハーネスも一緒に引き抜くのが正解です。シート下でカプラーオンで外れます。配線固定用の両面テープ付きスポンジを無理やり取っちゃったもんだから、戻すのが本当に大変でした。今は3Mの両面+万能ボンド+透明テープで固定していますが、剥がれるかも(笑)。
人気車種のスポーツスターはアフターメーカーのマフラーが高いですが、タマ数は多いです。スリップオンのみでサクッと変えられるのも楽で良いところ。
マフラークランプのスペーサーが欠品していたので、ガレージに転がっていたアルミ筒を切り出して自作しました。
そしてAmazonで購入した1,980円の格安エアクリーナーを装着!……しようとしたところ、なんとキャブ本体に激しく干渉。おそらくアイアンなどのインジェクション(FI)車用にできているんだと思います。
バックプレートを結構ガリガリと削り落としたら、ピッタリつきました。ここのキャブマウントガスケットが最初から入っていなかったので、後で買って挟もうと思います。
ブローバイガスをしっかり還元する仕組みになっていて、安い割にはよく出来ているエアクリーナーです。
ガレージでの格闘を経て、だいぶ形が出来てきました!
カチコチの当時モノタイヤやキャブの調整など、まだまだ手を入れるところは山積みですが、足首のリハビリと一緒に、少しずつ公道復帰へ向けて仕上げていこうと思います。
ちなみに、サイドカバーの内側には親切に「バッテリーの外し方」のインストラクションステッカーが貼ってあるんですが……。

【2025年5月 追記】 しばらく45番で乗っていましたが、どうも排ガスがガソリン臭い気がして、結局純正の42番に戻しました。 開けてみたらキャブ本体も煤(すす)まみれ。やっぱりちょっと濃すぎたみたい。42番に戻したところ、気になっていたバックファイヤーも軽減されて絶好調に。山ツーリングでの燃費はリッター25kmほどまで伸びて大満足です!
さて、スローが決まれば次はメインジェット(MJ)。 純正は160番ですが、手持ちのカワサキ用ジェットと比べると明らかにサイズがデカい。これは流用不可なので大人しく買いに走ります。
手に入れたのがコレ。

純正の160番から、少しマージンを持たせて175番へステップアップ! 変更前は、高回転まで引っ張った時に「ボーッ」という吸気音ばかりが大きくて、パワーがついてこないイマイチなフィーリングだったんですが、175番に変えた途端に見事に解消。上まで綺麗にパワーが追従してくるようになりました。
シーシーバーの取り付け位置とクリアランス、だいたい20cmくらい。次回作業用の寸法メモ。
ちなみに、元々入っていたバルブ(電球)はクリアのシングル球でした。
ヤフオク落札スポーツスター・復活への全タスクまとめ
● 完了したタスク(ミッションコンプリート)
・ハンドル交換 & 絶妙な絞り加工
・グリップ新品交換
・クラッチケーブル(ロング仕様)交換 & 微調整
・フロントキャリパー & マスターシリンダー完全オーバーホール
・ロングブレーキホース交換 & フロントDOT4フルード執念のエア抜き
・フロントハブベアリングチェック(ちょっと動きが硬いのが気になる)
・左右ハンドルスイッチ配線の取り回し変更(スッキリ化)
・プライマリーオイル交換
・スパークプラグ新品交換
・サビサビだったフロントフォーク研磨
・タンクの自家塗装剥離 & 男のヘアライン仕上げ
・鬼門のシーソーペダル取り付け(これで靴が傷まない)
・プライマリーチェーン調整 & ベルトテンション調整
・前後タイヤ空気圧調整
・乗り心地最悪だったリアサスのロワードキット取外し & サス本体シコシコ磨き
・リアキャリパー & マスターシリンダー完全オーバーホール
・リアハブベアリングチェック(フロントよりはマシな動き)
・リアフェンダー取り付け
・リアアクスルシャフト規定トルク締め付け(98~106Nm)
・エンジンオイル交換(信頼のラムコ製)
・スロットルケーブル調整
・純正サイレンサー加工(ドリルで20mm穴開けストレート化)
・ヘアラインタンク取り付け & ガソリン全入れ替え
・リアDOT4フルードエア抜き
・社外エアクリーナー取り付け
・左右ミラー取り付け & 位置固定
・黄ばんだヘッドライトレンズ磨き
・キャブガスケット新品交換
・スマホホルダー & デジタル電圧計付きUSB電源装着
・フロントアクスルシャフト規定トルク締め付け(67.8~74.6Nm ※ピンチボルト緩めてからが鉄則)
・エンジンガード取り付け
・試走後のエンジンオイルフィルター交換
・各部ボルトの増し締め・脱落確認
・名義変更 & 任意保険加入(これでいつでも公道復帰OK)
● これからやること(残された謎)
・キャブの負圧ダイヤフラム交換(開けてみて状態が悪ければ即交換)
いやーーーーー、ぶっちゃけめちゃくちゃ疲れました!!!
でも、完全に死んでいたヤフオク車両が、自分の手でここまでシャキッと甦っていくプロセスは、何物にも代えがたい最高の快感です。あともう一息、キャブの煮詰めが終わったら、またナンバーを取得して公道へ連れ出そうと思います!


















































































0 件のコメント:
コメントを投稿