2018年2月5日月曜日

【完全版】バルカン400(VN400)レストア&整備データ集!タイヤ・キャブ油面・フォークオイル等まとめ

貧乏子だくさんの可愛い後輩が、通勤用に中型二輪免許を取ることになりました。

そこで、知り合いの乗っていなかった「カワサキ・バルカン400」を譲り受け、ガレージでレストアして最初の相棒として乗せることに!


車両代は無料ですが、「将来ほかに欲しいバイクが見つかったら元オーナーに返す」という、なんともハートフルなシステムです(笑)。

さっそくガレージに運ばれてきたバルカンですが、ブレーキはスカスカ、スロットルは完全に固着、バッテリーはスッカラカンという、期待を裏切らない「素晴らしい不動車」でした。

しかし、そこはアメリカン。シングルポットキャリパー、シングルキャブ、リアドラムブレーキという、お財布にめちゃくちゃ優しいシンプル設計だったのが救いです。これなら消耗品代も最小限に抑えられます。

今回は、バイク初心者の後輩が、不動車起こしから車検取得までをガレージで自ら手を動かしてやり遂げた「漢のレストアメモ」を公開します。必要な工具や通勤装備の選び方もまとめたので、DIYで公道復帰を目指す方はぜひ参考にしてください!

💡ちょっとした裏技
ちょうど私のBuell(ビューエル)のバッテリーを交換したばかりだったので、お下がりの「14サイズ」をドネーションしました。バルカン400の純正は本来「12サイズ」ですが、800は「14サイズ」なので、バッテリーケースのサポート(スペーサー)を外せばすんなり収まります!

不動バルカン復活への4週間!ガレージレストア全記録

「本人がガレージに来て、自分の手で整備する」をルールに、私も全力でサポートしながら作業を進めました。

【1週目:1/6】全バラシとフロント周りの解体・部品発注

  • まずは長年の埃を落とすために洗車
  • ガソリンタンク、キャブレターの取り外し
  • フロントホイール、フロントフォーク、フロントブレーキASSYの取り外し
  • スラッシュカットマフラーを純正戻しにする、その前にマフラーカット加工
  • 現状把握が終わったところで、フロントフォークとブレーキ関係の純正部品を発注

【2週目:1/14】難所のフロントフォークOHと消耗品発注

フロントフォークのオーバーホールに挑戦。バルカンのトップキャップは押し込んでサークリップを外すタイプですが、長年の固着のせいか、インナーチューブがなかなか抜けないトラブルが発生!急遽オイルシールをこじって外したのち、無事に抜けました。

  • アウターチューブをひたすら磨き上げて美化
  • フロント周りの組み付け
  • フロントブレーキマスターシリンダーのオーバーホール

ここで次週に向けて、タンク部品、エアエレメント、プラグ、オイル、各種消耗品をドバッと発注します。

🔧 今回の作業で大活躍したお役立ちアイテム

足回りのリフレッシュと同時に、チェーンの徹底掃除と、アメリカンの見た目を激変させる足元カスタムを行いました!

・AZ バイクチェーンメンテナンス4点セット
ディグリーザーやクリーナーがセットになっていて、初心者が最初に買うならこれが一番コスパ最強です。

・ホイール スポークカバー(スポークラップ)黒 72本入
サビサビのスポークの上からパチンとはめ込むだけで、足元が引き締まってめちゃくちゃカッコよくなります。しかも1,000円前後とお財布に優しい!

【3週目:1/21】キャリパーOH・リア周り・キャブバラシ

  • フロントブレーキキャリパーのオーバーホール&組み付け、エア抜き作業
  • ガソリンタンクのオーバーホール、プラグ交換
  • リアホイールを外して、スポークカバー装着
  • リアブレーキの清掃・調整、チェーンの清掃・注油・調整
  • キャブレターの全バラシ(パイロットスクリューのOリングを計測したところ、内径3mm・外径5mmでした!)

キャブ部品、OAナガシマで見つけたメッキホーン(800円)、フォークブーツ、二次エアー吸い対策のエンジンヘッドのメクラゴムキャップ2個を追加発注。タンクはガソリンを注入するために一度自宅へ持ち帰ります。

【4週目:1/28】仕上げの火入れ!ついに完成へ

いよいよ最終週。バラしていたパーツを一気に組み上げます。

  • キャブレターオーバーホール完了、タンクと共に車体へ組み付け
  • エアエレメント交換、ガソリン注入
  • (サイレンサーにウールを巻いて組んでみたものの、爆音具合が変わらなかったため結局純正マフラーに戻しました笑)
  • 古いオイルを排出し、フラッシングオイルを注入して再度排出
  • オイルフィルター交換、新品エンジンオイル注入
  • 水冷のファン動作確認、ホーン交換、ウインカー移設
  • 仕上げに空気圧調整、クーラントのチェック、光軸の簡易調整

そしてついに……テスト走行もバッチリ、不動車バルカンが見事に完成しました!!!

【完全攻略】車検切れ・ナンバーありバイクを新オーナー名義にする平日3日間スケジュール

バイクが直ったら、次はいよいよ公道デビューのための「名義変更」と「継続ユーザー車検」です。
平日の動き方が重要になるので、後輩のために組んだ最短の理想スケジュールをシェアします。

1日目(平日):役所関係の下準備

  • 自賠責保険の加入:あらかじめ25か月で加入しておきます(車検時に24か月以上の有効期間が残っていないと合格できないため、25か月加入が鉄則です。任意保険の車替手続きも一緒にやっておきましょう)。
  • 仮ナンバーの取得:バイクを移動させるために、市役所で仮ナンバー(臨時運行許可証)を借ります(要自賠責保険証)。
  • 住民票の取得:名義変更に必須となる新オーナー(後輩)の住民票もここで取っておきます。

2日目(休日):バイクの移動

  • 仮ナンバーをバルカンに装着し、ガレージから自宅へ自走で移動させておきます。

3日目(平日):陸運局で「名義変更」&「ユーザー車検」

朝から陸運局へ自走し、一気に手続きを終わらせます。

  1. 名義変更を先に済ませる
    【必要書類】譲渡証明書(旧オーナーの印鑑あり)、新オーナーの住民票、車検証、ナンバープレート。
    ※名変直後のため、今年度の納税証明書は不要になるケースが多いですが、念のため事前に陸運局(浜松陸運支局など)に確認しておくと安心です。
  2. 継続ユーザー車検を受ける
    事前にネットで車検の予約番号を取得しておき、整備記録簿とお金、工具を持ってラインに並びます。
  3. 仮ナンバーの返却
    無事に新しい車検証と車検ステッカーが交付されたら、市役所に仮ナンバーを返却して完全終了です!
⚠️もしタイヤの溝で不合格と言われたら?
検査官に「後日交換して出直します」と伝えるか、その場でどうしても合格させたい場合は、すぐに近くのバイクショップ(ナップスやヒョウドウなど)へ駆け込んでタイヤを即納・交換してもらい、当日中に再検査ラインに並べばセーフです!

バイク通勤を始める後輩へ伝授した「本当に使える工具&カッパ」選び

今回、晴れて毎日バイク通勤をすることになった後輩に、「これだけは絶対に妥協するな!」とアドバイスした周辺装備と、私がガレージや車載用として愛用しているおすすめ工具のリストです。

1. 雨天通勤の命綱!レインウェア(カッパ)の選び方

バイク通勤の快適性と安全性は、カッパの「耐水圧」で決まります。予算に合わせて選ばせました。

  • 【最強・一押し】ゴールドウイン バイク用コンパクトレインスーツ
    初期耐水圧20,000mm以上。お値段は1万円超えですが、大雨のバイパスを走っても全く浸水しない本物のバイク用です。
  • 【コスパ重視】マック(MAKKU) デュアルワン 耐久防水レインスーツ
    耐水圧10,000mmH2O。5,000円前後で買える、デザインと防水性のバランスが良いモデル。
  • 【防寒兼ねるなら】ワークマン イージス(AEGIS)上下セット
    耐水圧15,000mm。冬場の通勤防寒着としても最強の定番。
  • 【変わり種】UKゴアテックスカッパ(デザート迷彩・軍放出品)
    ミリタリー好きなら、耐水圧45,000mm以上を誇るイギリス軍のゴアテックスジャケットを古着(サンドグラフ等)で探すのも、他人と被らなくて最高にクールです。

2. トラブルに備える!私の愛用おすすめ工具セット

まったく工具を持っていない人だったので、バルカンの日常メンテナンス(リアアクスル、ドレンボルト、タンク脱着、チェーンアジャスター、プラグ交換など)を車載として持ち運ぶために、トラスコのツールロールを使って私と同じ中身をお勧めしておきました。ちゃちな車載工具を最小限そろえるよりよっぽどましです。

バイク整備・パーツ適合データメモ

フロントタイヤ 80/90-21
リアタイヤ 140/90-16
スパークプラグ CR7E
プラグコード CR3 を使用

▼ 吸気系・エアフィルター

  • 純正品: 品番 11013-1243 (参考価格: 4,450円)
  • K&N製: 参考価格: 9,250円
  • SIMOTA製: 品番 OKA-8095 (参考価格: 4,860円)
  • 社外小型エアクリーナーキット: 参考価格: 9,500円

▼ 足回り・キャブレターセッティング値

フォークオイル G10
フォークオイル量 385 ± 2.5 ml
オイルレベル(油面) 128 ± 2 mm
パイロットスクリュー戻し 2_1/4 戻し
キャブ実油面 16.5 ± 2 mm

⚠️ キャリパーピッチ・互換性メモ

トップブリッジは共通、フォークアウター以外は共通パーツ。

  • ノーマルキャリパーピッチ:71mm / 72mm / 73mm ?
  • Z250FT ピッチ:72mm
  • 750R用純正(片押し1ポット):54mmピッチ
  • 900R(A7〜A11)純正対向4ポット:62mmピッチ
  • 900R(A12〜A16)純正対向6ポット:90mmピッチ
  • (※GPZ750F、750R、900R、1000RXとの共通性は要確認)
【キャリパー品番】
・43041-1600-FE / 43041-1570-FE
・43041-1597-GN / 43041-1751-GN

【DIYあるある】プラグコード交換時のターミナルトラップに注意!

最後に、プラグを新品の「CR7E」にし、プラグコードを定番の「NGK CR3」を使ってストレート配線に引き直した際、DIYでよくあるトラップにハマりました。

プラグコード交換

コードをストレートの新品にしたのですが……なんとバルカン側のプラグキャップが「ターミナルナットが必要なタイプ」だったことが判明!

プラグターミナルの確認

新品プラグはネジ頭のままだったので、ガレージにあった他の古いプラグから「ターミナルナット」だけをグリグリと取り外して持ってきて、新品プラグに移植して無事に解決!

ターミナル移植完了

↑他からターミナルを移植して無事カチッと接続できました

こういう小さな「現場のトラブルと対策」こそ、DIYをやる誰かの役に立つんですよね。


【バルカン400の罠】社外マフラーでリアバンクがエンストする原因

バルカンをレストア・カスタムする上で、絶対に知っておくべき重要なポイントがあります。
今回、爆音だったスラッシュカットマフラーをやめて純正に戻したのには、音量以外にも深い理由があります。

実は、バルカンの純正マフラーは前後の排気管がバイパス(連結)で繋がっている設計になっています。
ここが繋がっていない安価な社外マフラー(独立管)に変えると、排圧のバランスが崩れてリアバンク(後ろ側の気筒)が頻繁にエンストする持病が発生します。

まともなマフラーメーカー製(デイトナなど)はしっかりバイパスが作られていますが、バルカンは構造上、排気管が繋がっていないとまともに走れません。不動車起こしで調子が悪い時は、まずマフラーの構造をチェックしてみてください。

DIY派に捧ぐ!消耗品&フォークブーツの裏技流用パーツ

今回のレストアで大活躍した、お財布に優しい代用パーツと社外パーツのメモです。

【カスタムの可能性】バルカンにハーレー(ツインカム88)のタンクは載るか?

後輩から「将来カスタムしたい」と相談された時のために、DIYでハーレーのタンクを流用する手法についても調べておきました。

結論から言うと、ハーレーのツインカム88用タンクの流用はDIYレベルで可能です!約20リットルの大容量になり、電源(+ー)を繋ぐだけで燃料計も作動します。

🛠️ ハーレータンク流用の注意点まとめ
  • そのまま載せるとトップブリッジと干渉するため、イージーライダース製などの「Tバックパンティ」のようにシェイプされた三又(トリプルツリー)への交換が必須。
  • タンク前のステーはフレームの三角コーナー部分に穴を開けてボルト留め、後ろはステー延長で純正位置に固定。
  • メーターワイヤーが通せなくなるため、タンク上へのメーター移設は不可。
  • 純正エアクリーナーは干渉するため、社外の小型エアクリーナーキットへの変更が必要。

【保存版】カワサキ バルカン400(VN400-B1)サービスデータ&スペック

セッティングや今後のメンテナンスで何度も見返すことになる、1995年式 VULCAN-II(VN400-B1 / エンジン形式:VN400AE)の主要サービスデータをまとめました。

項目 指定データ / 数値
エンジンオイル SF.SG.SJグレード(10W-40)
全容量:3.2L / フィルター交換時:2.9L / オイルのみ:2.7L
スパークプラグ NGK: CR7E / DENSO: U22ESR-N (ギャップ:0.7〜0.8mm)
アイドリング回転数 950〜1050 rpm
バルブクリアランス IN: 0.10〜0.15mm / EX: 0.20〜0.25mm
冷却水(クーラント) 全容量:2.4L
燃料タンク容量 全容量:15.0L(リザーブ予備量:3.0L)
キャブレター規定値 パイロットスクリュー戻し:2 1/4回転
フロート高さ:16.5±2mm / 実油面:2.0±1mm
メインジェット:#125 / パイロットジェット:#42
フロントフォーク オイル種類:フォークオイル G10 (SS-8)
オイル量:385 ±2.5mL / 油面レベル:128 ±2mm
※初期マニュアルデータ数値。個体差にあわせて340mL(油面292mm)も要確認。
ドライブチェーン サイズ:428 / リンク数:146リンク(EK428UV-Oなど)
タイヤサイズ&空気圧 フロント:80/90-21 48H(200 kPa / 2.00kgf/cm²)
リア:140/90-16 71H(200 kPa / 2.00kgf/cm²)

【整備用アーカイブ】バルカン400 主要部パーツカタログ分解図

ガレージ作業中に一目でパーツ構成がわかるように、今回お世話になった主要部分の分解図をストックしておきます。パーツ発注やOリング・ワッシャー類の組み込み順の参考にどうぞ!

1. キャブレター周辺

バルカン キャブレター 分解図

2. フロントマスターシリンダー

バルカン マスターシリンダー 分解図

3. フロントフォーク

バルカン フロントフォーク 分解図

4. フューエルタンク

バルカン 燃料タンク 分解図

5. フロントブレーキキャリパー

バルカン ブレーキキャリパー 分解図

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